3.【実践】学ぶために働く
本書の内容で有名なものとして、"貧乏父さんはお金のために働き、金持ち父さんはお金を働かせる"が挙げられるのではないでしょうか。
お金持ちになりたいならお金のために働いてはいけないという、一見すると矛盾した考え方ですが、本書の一貫した主張です。
人々はお金がなくなる恐怖にかられ、お金のために働きます。しかし本当に必要なのはお金について学ぶことであり、学ぶために働くことなのです。
研究活動においても、やはり成果を出さないといけない焦りや恐怖心から、日々のタスクに時間をかけてしまいます。
しかしそのタスクから何を学べるのか、自身が将来どのような技術を身に付けたいのかを考えながら働くことが大切なのです。
とはいえタスクは選べないことが多いですし、山のように降ってくるため、自身の目的に沿った成長につなげることは難しいかもしれません。
そのため時間を作って自己研鑽する必要があるのですが、オススメするのは時間をまず自分に使うことです。
余った時間を自己研鑽に使うやり方では継続して時間をあてることは難しいため、 まず「この時間は〜〜をする時間!」と、自分のための時間を確保してしまいます。
論文や特許を読んだりするのであれば、勤務時間やコアタイム中でも取り組みやすいと思います。そして残りの時間で普段のタスクをこなすようにすれば、継続して自己研鑽に励むことができます。
当然タスクの進捗に影響は出るのですが、その恐怖心に打ち勝ち、将来のことをきちんと考えて自分に時間を使えるかどうかが、数年後の伸びる研究者と伸びない研究者の分かれ目となります。
研究室でも職場でも、自分のために時間を使えと言われることは少ないと思います。上司や指導教官は、私たちにできるだけ多く働いてもらい、よりたくさんの成果を出して欲しいと考えているのが普通です。
それに従えば、短期的にみればたくさんの成果を得られると思います。一方で自身の成長に繋がらなかったり、肉体的・精神的な自由からは程遠い生活を送ることになるかもしれません。
自身が将来どうなりたいのかを一度よく考え、そうなるために自分が今すべきことはなんなのかをはっきりとさせましょう。
そして今ラットレースに巻き込まれていると感じた場合は、そこから抜け出せるよう、よく考えて行動を変える必要があるのです。
伸びる人は、自分のためにしっかり時間を使います(もちろんカドは立たないようにですが)。