就活や転職、また株式投資などでも欠かせない企業分析。
しかしこと化学業界に関して、企業選びは難しすぎるのです。
本記事ではなぜ化学メーカーの分析が難しいのかを解説します。
自分に合った企業選びの手助けになれば幸いです。
どうして化学メーカーの分析は難しいの?
化学業界に興味を持っても、企業の実態が分からず阿鼻叫喚の方は多いのではないでしょうか。
実際に化学メーカーの強みや取り組みは、業界外の人に伝わりにくいと思います。
それゆえに就活生は企業選びに苦戦し、株式市場でも正当に評価されていない企業が多いのも実情です。
なぜ化学メーカーの企業分析が難しいのか、その理由は大きく分けて3つあります。
業界把握にもつながりますので、それぞれ解説していきます。
①企業の数が多すぎる
化学業界は出荷額で約46兆円、自動車などからなる輸送用機械器具に次ぐ2位で、実は素材業界の中では最も規模が大きいのです。
ではそんな化学業界に化学メーカーはいくつ存在するのか、なんと上場企業で130社余り。
業界の規模も大きいのですが、それにしても多い。
同じ素材業界でも、上場企業数は鉄鋼で43社、紙・パルプは25社とされているね。
規模に対して企業数が多いことから、相対的に小ぶりの会社が多いといえます。
したがって企業を探すにしても、100以上の化学メーカーから比較検討する必要があり、いったいどこから手を付けてよいのか分からない方が多いのではないでしょうか。
まともに企業分析すると、膨大な時間と労力が必要になります。
しかし日系の化学メーカーには世界的にみても高い技術力を有する企業が多いのも事実、企業分析が重要なことに変わりありません。
②製品が多岐にわたり、そしてよく分からない
みなさま化学業界の定義はご存じでしょうか。
定義はさまざまあるものの、おおむね化学的な反応や知識を活用して製品をつくる産業となります。
製品じゃなく、製造過程の特徴なんだね
つまり自動車や鉄鋼などと比較すると具体的なものがある訳ではなく、会社によって様々なジャンルの製品を扱っています。
例えばプラスチック・ゴムなどを生産する石油化学、ソーダ類といった無機材料、塗料や医薬品、化粧品などさまざまなカテゴリがあります。
このジャンルの多様さが化学業界の一番の特徴であり、ゆえに化学メーカーはいろいろ手をつけていて、調べても結局よく分からないことが多いと思います。
これが企業分析を難しくしている根源でもありますね。
また医薬品や化粧品を除き、産業内取引が多い中間投入財を扱う点も難しさに拍車をかけています。
B to B のビジネスモデルとよく言われますね。
つまり化学メーカーの製品は直接的には身の回りにないことが多いため、各企業が得意とする製品を調べても、ピンとこないことが多いのではないでしょうか。
しかし化学製品のなかには成長が期待されるものもあれば、今後需要が減退するものもあり、玉石混交。注意深く分析する必要があります。
③成長性の判断が難しすぎる
就職・転職・株式投資、いずれにしても成長する企業を選びたいところ。
通常であれば、各企業の営業利益の推移などを確認するかと思います。
ところが化学業界は経済動向の影響を受けやすいため、企業の成長性が把握しにくい傾向にあります。
例えば2022年の総合化学メーカーは絶好調でしたが、その要因は石油化学製品の好況といった外部要因で、一時的に調子が良かったものとなります。
株式市場では、景気敏感株に位置付けられます。
つまり売上が拡大していても、原燃料コスト、為替、世界の景気など外部要因か、地力の成長か分かりにくいのです。
したがって中長期での成長性については、単純に決算の数値だけでは判断しきれない部分もあります。
化学メーカー分析の仕方について
化学メーカーの分析が難しい理由は以下の通りです。
ポイント
・化学メーカーは数が多い
・製品のジャンルが多様
・BtoB取引が多く、事業が良く分からない
・企業の成長性が判断しにくい
難しいのは分かったから、どうすれば良いのか教えてよ
とにかく複雑怪奇な化学業界、加えて数多ある化学メーカーを正攻法で調査するのは骨が折れます。
特に学業や実験で忙しい就活生、仕事に追われる社会人の方には、時間も労力も限りがあると思います。
人々に与えられたリソースは有限である以上、いかに効率的に企業を分析するかが、勝負を分けることになるのです。
ここでは効率的に就活・転職活動、また株式投資を進めるうえで役に立つ情報をお伝えします。
弊サイトを活用する
いきなり自分で企業分析をするのは大変なので、まずはすでに情報がまとまったサイトを見て、断片的にでも知識を蓄えるのがおすすめです。
手前味噌ですが、私が発信しているYoutubeやブログ記事もお役に立てるのではないかと思います。
実際に化学業界に携わる立場から発信している情報サイトは、あまりないのではないでしょうか。
下記リンクに、私が参考にしている文献もまとめていますので、ご自身で調査される際の参考になれば幸いです。
また、化学業界の全体像についてもを解説予定です。
おすすめの就活生向けお役立ちサイト
就活は早期化しており、就活生には早めの行動と決断が求められます。
まずはマイナビやリクナビといった求人検索型サイトで、希望条件を自身で入力し、該当する企業を検索するサイトを調べてみましょう。
加えて近年はスカウト型と呼ばれる、企業から就活生をアプローチするタイプのサイトも人気です。
就活生のプロフィールを見た企業からスカウトするため、マッチ度が高く効率的に就活を進めることができます。
↓Offer boxが企業登録数で大手となります。
私が就活生の時にはなかったシステムですね。
また弊サイトでも、就活生向けの記事を更新してますので、良ければこちらもご活用ください。
就活生に与えられた時間は限られていることから、弊サイトや就活サイトを使用して、効率的に就職活動を進めてもらえればと思います。
最後に 化学業界の魅力
化学は幅が広くて奥が深い、非常に興味深い分野だと感じています。
化学ほど身の回りで使われている学問はなく、その原理と身の回りの製品の関係を知れば知るほど面白くなると思っています。
また近年は化学業界の再編も活発で、最新の動向を踏まえた解説系ブログは存在価値があると感じています。
これまでもそうであったように、時代が変われば化学のあり方も変わるため、過去と今を知ることで化学の将来も推測できるのです。
私の情報発信が、みなさまの企業探しの一助となり、また化学業界の発展に寄与できればと思います。