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【就活・転職】文系でもわかる化学メーカーの業界地図【25卒】

 

文系で化学メーカーを検討されている方も多いかと思います。

 

しかし化学製品の説明を聞いても、意味が分からないのではないでしょうか。
(理系でも分からないことが多いです。)

 

正攻法で化学メーカーを調べるには多大な労力がかかりますので、

 

まずは化学業界の全体像を把握し、化学メーカーの位置づけを知ることが重要です。

 

Step 1 化学業界の全体像を把握しよう

とにかく数の多い化学メーカーを、一社一社理解するのは大変です。

 

そこでまず化学業界の全体像を、ざっくりで良いので把握することをおススメします。

 

というのも化学メーカーの特徴は、製品が製造されるまでの流れ(サプライチェーン)のどこに属するかによっておおむね把握できるのです。

ゴリこ

全体像?サプライチェーン?それも良く分からないよ、、

 

例えば身の回りにあるスマホやパソコン、洗剤や化粧品にしても、製品になるまでにたくさんの企業が携わっています。

ここでは洗剤ができるまでの流れを例に解説しましょう。

 

まず石油といった原料を輸入し、分離・精製などの工程を加えることで基礎化学品を作るメーカーが存在します。

 

続いて同じ企業、もしくは別の企業が、基礎化学品に化学的な処置を施すことで、界面活性剤をはじめとする誘導品が作られます。

 

最後に、界面活性剤などの原料を適切に配合することで、私たちが手にする洗剤が作られるのです。

 

この製品が私たちの手元まで届く流れがサプライチェーンであり、サプライチェーンの流れを川で例えることがありますね。

化学業界では、化学メーカーの間でも取引が行われており、企業間で製品をバトンタッチすることで、私たちの手元に届けられています。

 

まずは化学業界全体で、製品の流れ(サプライチェーン)が存在していることを把握しましょう。

  

Step 2 工程ごとの役割を把握しよう

先ほどの川の流れの例では、化学メーカーの事業は川上、川中、川下の三つに分けられます。

 

続いては、それぞれの工程の役割をイメージしましょう。

 

キーワードは、基礎化学品→誘導品→最終化学製品です。

・原材料となる基礎化学品を単離する工程(川上)

・基礎化学品に化学的な処理を加え、機能性を付与した誘導品を得る工程(川中)

・誘導品を混合・加工して最終化学製品を製造する工程(川下)

 

各工程について、もう少し解説していきます。

川上工程

あらゆる化学製品の大元は、石油や塩、また空気や鉱物などとなります。

 

しかし多くの原料は複数の素材からなる混合物、そのままでは使い物になりません。

 

そこでこれら製品を熱や電気で分解、精製することでエチレンや水酸化ナトリウムといった基礎化学品を単離します。

 

基本的にはエネルギー多消費型の設備産業、ボリュームが非常に大きい点が特徴ですが、

 

一方でどこのメーカーが作っても基本的に同じ製品となるため、性能での差別化が難しく、コスト勝負になりやすい傾向にあります。

 

加えて新興国の追い上げが厳しく、また景気の変動も受けやすいため、現在は構造改革が進められている分野です。

川上工程を手掛ける代表的な企業

信越化学工業、三菱ケミカルG、旭化成、住友化学、三井化学、東ソー、三菱ガス化学、ダイセル、トクヤマなど

川中工程

基礎化学品を原料に、重合など化学的な処理を加えて誘導品を作る工程です。

 

基本的にBtoBのビジネスであるため知名度はそれほどなく、川上工程と比べると規模も小さい傾向にはあるのですが、

 

少量多品種で技術力勝負となりやすく、他社が模倣できない製品は高い利益率となる傾向にあります。

 

ファインケミカルや高付加価値製品とも呼ばれ、各社が力を注いでいる分野となります。

川中工程を手掛ける代表的な企業

総合化学各社、日産化学、日油、JSR、日本ゼオン、クレハ、ADEKAなど

川下工程

川中工程で作られた誘導品を混合・加工することで、最終化学製品を作る工程です。

 

川下工程で作られた最終化学製品は、自動車や電子デバイス、食品や建設など、化学業界以外の産業で使用されるケースが多いです。

 

一方で、洗剤や化粧品のように自社で販売するケースもあります。

 

そういった化粧品やトイレタリー製品では、技術力だけでなくブランド力も問われますね。

川下工程を手掛ける代表的な企業

花王、ユニ・チャーム、ブリヂストン、日本農薬、積水化学工業、DIC、日本ペイントなど

ごりお

多くの化学メーカーは、複数の工程を手掛けています

Step 3 化学メーカーの得意分野を調べてみる

なんとなく化学業界のイメージができれば、あとは各企業を分析するだけです。

 

とはいえ多くの化学メーカーは複数の事業を抱えており、それも一筋縄ではいきません。

 

そこでまずは各企業の得意分野を把握するところから始めましょう。

 

私の主観でざっくりまとめましたので、こちらを参考に、ご自身でも確認してみてください。

川上工程石油化学系基礎化学品三菱ケミカルG、旭化成、三井化学、住友化学、東ソー、レゾナックなど
川上工程ソーダ工業系東ソー、AGC、トクヤマ、カネカ、旭化成など
川上工程産業ガス系日本酸素HD、エア・ウォーター、日本エア・リキード
川中工程ポリオレフィン系総合化学系
川中工程機能性樹脂系日本ゼオン(合成ゴム)、日本触媒(吸水性樹脂)、クラレ(ポバール)など
川中工程樹脂添加剤系ADEKA、日油など
川中工程繊維系東レ、帝人、東洋紡など
川中工程香料系高砂香料、長谷川香料など
川下工程農薬系住友化学、三井化学、日本農薬、日本曹達、日産化学など
川下工程製薬系三菱ケミカルG(元田辺三菱製薬)、住友化学(住友ファーマ)、旭化成(旭化成ファーマ)など
川下工程塗料・印刷インク日本ペイント、関西ペイント、DICなど
川下工程電子材料系日産化学、東京応化工業、住友ベークライト、住友化学、レゾナック、日東電工など

サプライチェーンにおける立ち位置、得意とする分野によって、事業環境や仕事の特徴なども変わってきます。

 

いくつか例を紹介しておきますので、興味ある方はご一読ください。

サプライチェーンの立ち位置による違い

さて、化学メーカーの事業は大きく3つの工程に分けられ、それぞれの工程は川のように流れていくことを解説しました。

 

事業がこの川の流れのどこに位置するかで、化学メーカーの経営環境が変わってきます。

 

例えば基礎化学品の価格が上がり、利益も上乗せできれば川上の企業にとってプラスとなります。

 

しかし基礎化学品を購入する川中以降のメーカーからみれば、原材料費の高騰が利益を圧縮するため、マイナスに働くのです。

原料高騰時は、川下側が割を食うことが多い

得意分野による違い

化学メーカーは手掛ける製品が異なるため、同じ経営環境でも事業の調子は異なる時があるのです。

 

例えばコロナ禍の際、巣ごもり需要からPCやスマホといったエレクトロニクス産業が活況、電子材料を手掛ける化学メーカーも絶好調でした。

 

しかし半導体不足から自動車生産は減少、自動車材料は不調となるなど、明暗が分かれる結果となりました。

 

このように需要家動向の影響を受けるため、化学メーカーの得意とする分野は押さえておきましょう。

まとめ

化学業界の全体像、いくらか把握できたでしょうか。

 

企業の立ち位置に応じて、仕事の内容なども変わってきますので、

 

ご自身のやりたいことや、求めるワークライフバランスと照らし合わせて、企業を調べていきましょう。

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今回は総合化学メーカーと呼ばれる三菱ケミカルG、住友化学、三井化学、加えて旭化成、東ソーの5社を解説します。 事業内容も比較していますので、就活、転職、株式投資のご参考に良ければ最後までご覧ください。

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Youtubeのコミュニティに寄せられたコメントをテーマに取り上げ、化学業界を見通してみる企画です。

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